開催日:平成26年 9月17日
会議名:平成26年第3回定例会(第2日 9月17日)
○6番(米川大二郎議員) お許しをいただきまして、さきの通告に従い、区長並びに教育長、関係部長に対し質問させていただきます。
 まず初めに、区立学校の改築・改修についてお伺いいたします。
 公共施設の効果的・効率的な活用につきましては、今年度第1回定例会の代表質問において、我が会派の幹事長は、平成26年度は、行動のときであり、将来も求められる公共施設への更新や長寿命化を積極的に実施していくべきだと意見を述べた上で、公共施設に係る組織新設の目的をお尋ねしました。
 区長は、新たな組織と各部がしっかりと連携することにより、計画的な改修や改築が可能になるとお答えになられました。
 区立学校は、葛飾区の公共施設の面積においても多くの部分を占めております。また、子供たちの教育、学校生活の場であることはもちろん、防災や地域活動の場として地域の中心となる重要な施設です。周辺の区において学校の改築が進む中、葛飾区の学校施設の整備は待ったなしの状況であると言えます。今年度、新たに設置されました施設管理担当部長や施設計画担当課長、施設改修計画担当課長にとっても、学校の改築・改修が一つの大きな課題ではないでしょうか。
 教育環境の確保のため、教育サービスというソフト面の計画や実行といった教育の中核を担う教育委員会に対し、公共施設というハードの専門調整部門として、教育委員会と連携し、サポートすることで、学校改築・改修の具体的な計画を動かす力となれとの区長の思いが反映されていると理解しております。
 そこで質問いたします。
 学校の改築・改修について、今年度、区長部局と教育委員会とがどのように連携してきたか。また、今後どのように連携して進めていくのか、区長の考えをお示しください。
 さて、ご承知のとおり、本区の学校施設は、急激な人口増加を背景に、昭和30年代から昭和50年代中ごろまでに集中的に建設されております。区は、平成24年度から中青戸小学校の改築に着手しましたが、多くの学校の老朽化が進む中、次にどのように区内の学校の改築を進めるのか、区民の関心と計画の進捗への心配が高まっていると感じております。
 学校の改築・改修は、ただ新しくつくること、修理することが目的ではなく、改築や改修によって子供たちの教育環境の確保や向上を図るために行うものです。そのため、学校改築・改修に当たっては、教育委員会として、地域に入りながら、子供たちが生き生きと学校生活を送り、その後の人生の糧となる学校環境を実現すべきと考えます。
 中青戸小学校に続く具体的な行動が急務な状況では、まず将来的にある程度の児童・生徒数が見込める学校や学校の老朽化等を鑑みて、早急に対策の必要な学校について、幾つか具体的に学校名を出すこと、そして改築や改修の実施に向けて地域に入り検討を始めることで、区民の方に区の教育環境についての考え方を伝えていくことが必要だと考えます。
 一方で、並行して、区立学校全てについて、先に地域に入り、検討を始めた改築・改修候補校の事例も参考にしながら、将来需要や地域、建物の状況等を検証し、今後の教育環境のあり方を踏まえた改築・改修の計画をつくり上げていく方法がとれないものでしょうか。
 教育環境は、授業の充実、学級数等の規模、地域の事情等、さまざまな要素が組み合わさり確保されるものと理解しております。教育環境について、区の意見をしっかり持った上で、将来的には、地域とともに、先行して建て替えた学校を核に、地域の学校環境を検討する方法や、ある程度学校を地域ごとに分け、その地域単位でよりよい教育環境を検討していく手法も有効だと考えます。
 そこで質問いたします。
 今後、教育環境の確保を図るため、どのように学校改築・改修を進めていくのか、教育委員会のお考えをお示しください。
 次に、首都圏空港の機能強化についてお伺いいたします。
 ことしの8月26日、国土交通省において、首都圏空港強化の具体化に向けた協議会の第1回の会議が開催されました。この協議会は、国土交通省の局長、関係都県の副知事や政令市の副市長、特別区長会会長、航空会社の社長、学識経験者などで構成されておりますが、この協議会において、国土交通省は、羽田空港の機能強化に向け、新たな飛行経路と高度の案を示しました。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、羽田空港の発着枠をふやし、オリンピック・パラリンピックの円滑な開催に貢献すること、航空ネットワークを世界に向けてさらに開くことで、人や物の移動を活性化して世界の成長力を取り込むこと、国際競争力の強化や訪日外国人旅行者の誘致を加速することなどを、その理由に挙げております。
 首都圏空港の機能強化とは、滑走路の運用や飛行経路の見直し、管制機能の高度化などにより、空港処理能力の増加、すなわち発着回数の増加を目指しているわけですが、具体的には羽田と成田を合わせて2020年までに年間約7.9万回の発着回数の増加を図るとしております。
 さて、航空機は安全性を確保するため、風に向かって離陸・着陸する必要があり、風向きにより滑走路の運用と飛行経路を変えております。南風のときには、北東から南西に向いておりますB滑走路、またはD滑走路を東京湾側から着陸するか、北西から南東に向いておりますA滑走路、C滑走路を東京23区側から着陸する必要があります。
 しかし、これまで都民の影響を考えてでしょうか、東京23区側からA滑走路やC滑走路に着陸することはありませんでした。それを今回の新しい飛行経路案では、南風のときには国際線の離着陸が集中する15時から19時までの4時間に限って、23区側からA滑走路・C滑走路に着陸することで、1時間当たりの発着回数を10回ふやし、最大で90回の離着陸を可能にするとしております。
 また、北風のときのC滑走路からの離陸は、現在、23区方面に離陸して、すぐに東京湾方面へ時計回りに旋回し、十分に高度を上げてから本区や足立区上空を通過しておりますが、D滑走路から東京湾方面に離陸する便との接近を避けるため、東京湾に旋回せずに、荒川に沿って東京23区上空を通過するルートにすることで、北風のときにも1時間当たり最大で90回の離着陸を可能にするとしております。
 このように新飛行経路案では、南風のときのC滑走路への着陸便と北風のときのB滑走路からの離陸便が本区上空を通過することになります。飛行高度は、着陸便で5,000フィート(1,524メートル)以上を、離陸便で5,500フィート(1,676メートル)以上となっております。現行の飛行経路でも本区上空を離陸便が通過しておりますが、飛行高度は1万1,000フィート(3,350メートル)となっておりますので、新飛行経路では現行の半分以下の高度で本区上空を通過することになります。恐らく区民の方の中には航空機の騒音問題を心配される方も多いと考えられることから、区には正確な情報を区民に提供していただきたいと考えております。
 例えば、現在の生活環境での騒音レベルが新飛行経路案における航空機の騒音レベルとの比較ができるような情報が必要となります。新飛行経路案では、都民への影響を最小限にするため、首都高速葛飾江戸川線や環状7号線の上空が標準的な飛行ルートとなっておりますが、騒音レベルは生活環境や場所等により大きく異なっていると想像できるため、新飛行経路に当たっている地域を中心に、現状の騒音レベルの状況について、きめ細かく把握しておく必要があります。その上で、想定される本区での航空機騒音のレベルと比較して、どのような影響があるのか分析し、区民に情報を提供することが重要です。そうした中で、区民から騒音問題を心配する声が大きければ、国や都に対してしっかりと意見や要望を述べていかなければなりません。
 また、新飛行経路での飛行が開始されたならば、葛飾区上空を飛行する航空機とその騒音レベルについて定期的に測定などをしていただき、区民生活への影響がある場合には、国に対し改善の申し入れを行うなどの対応をお願いしたいと思います。
 そこで質問いたします。
 1、首都圏空港の機能拡張について、区長はどのように認識しているのかお伺いいたします。
 2、現在の葛飾区における航空機騒音に対する区民の方からの苦情の状況は、どのようになっているのでしょうか。
 3、区民に正確な情報を提供するため、飛行経路の下となる地域を中心に現状の騒音レベルの調査をすべきと考えますが、区の見解を伺います。
 4、新飛行経路での運用開始後も、本区上空を通過する航空機を監視するとともに、航空機騒音の実態を把握するため、騒音調査を定期的に行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
 次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けての区独自の提案についてお伺いいたします。
 特別区においては、現在、オリンピック・パラリンピック開催に向け、特別区が情報を共有し、協力していくための検討組織として、特別区長により2020年オリンピック・パラリンピックを成功させる特別区23人の区長会議を設置し、行動を開始しております。
 また、この会議の下にオリンピック・パラリンピック準備担当部課長会を設置し、開催準備に向けた国・東京都・特別区及び特別区間の連絡調整を図っていると聞いております。
 これらの動きが始まる中で、既に幾つかの区は、オリンピック・パラリンピックの担当組織を立ち上げました。江東区などは、オリンピック・パラリンピック開催準備担当部長、担当課長を設け、東京都へ積極的に提案を実施しております。例えば、江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画アウトラインを策定し、都市型ロープウェー、水上バスステーション、清掃工場の排熱利用、コミュニティサイクルの推進など8つの項目を提案しております。
 一方、舛添東京都知事は、競技施設の建設見直しに言及しております。海の森水上競技場など3つの施設で今年度から基本設計を始めるとの報道がなされましたが、バスケットボール会場とされていました夢の島ユース・プラザなどは建設を中止し、都外の他の施設で実施すると言われております。もともとコンパクトな実施を表明し、臨海部に競技会場が集中していることもやむを得ないと考えておりましたが、競技会場が都外のさいたまスーパーアリーナという報道には、少々残念な思いがいたします。
 もちろん、オリンピック競技を開催する会場は、さまざまな条件があることは承知しておりますが、区内には工場跡地や都営住宅再編による広大な都有地もあり、これらの用地を含めて再検討がなされないものかと考えてしまうのは、私だけではないのではと思っております。
 国においては、五輪の効果を東京のみならず全国へ波及するため、オリンピック・パラリンピックの参加国・地域のホスト役となる地方自治体を募集、支援するとしており、代表選手の合宿などの受け入れ先として登録することなどを発表しております。既に、町田市は、キャンプ地の誘致を目指し、公園用地の一部を拡張して整備を進めると表明しております。
 東京で行われるオリンピック・パラリンピックでありますが、競技会場からも距離があり、現状ではキャンプ地の誘致なども難しい本区としては、このオリンピック・パラリンピックのムーブメントをどのように展開していくのか、その手腕が問われるところであります。
 もちろん、さまざまな取り組みの効果は2020年以降も波及するものであり、開催まで6年を切った段階で、区として何ができて何ができないのか、どのような効果が見込まれるのか、区の特性を分析しておくとともに、国や都の動向を適確に見きわめ、積極的に区独自の提案をしていく必要があるのではないでしょうか。
 また、本区においては、都市基盤の整備も大きな課題の一つであります。2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、かねてからその実現に向け取り組んでおります地下鉄8・11号や京成線の連続立体交差事業、都市計画道路の整備、電線類の地中化などの都市基盤の整備を一層進めていくべきと考えます。
 そこで質問いたします。
 1、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、本区の持つ特性を分析し、関係機関に対し積極的に区独自の提案を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。
 2、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、都市基盤の整備をより強化していくべきと考えますが、区の見解を伺います。
 最後に、障害者スポーツの充実についてお伺いいたします。
 障害者スポーツの充実は、障害のある人の心身の健康の保持・増進と自立、社会参加を促進させ、また、参加するボランティアたちも、障害のある人から多くのことを学ぶ機会となることからも、本区でも葛飾区スポーツ振興計画で、区民が身近な地域で、いつでも、どこでも、誰でも、いつまでも自分にあった形でスポーツ活動に親しみ、スポーツを通じた健康で元気な葛飾づくりを推進しますとの基本理念を掲げており、障害者のスポーツ活動を充実させていくには、障害者が健常者と一緒に、気軽にスポーツを楽しむことができる機会と場を整備するとともに、スポーツ社会におけるノーマライゼーションの理念啓発に努める必要があるとしております。
 また、葛飾区基本計画では、健康でともに支え合い、生き生き暮らせる地域社会づくり、スポーツによる元気なまちづくりにおいて、高齢者・障害者スポーツを推進するとしております。
 この計画を具体化する葛飾区前期実施計画では、高齢者や障害者が自主的・積極的に安心してスポーツを行うことができる環境を整備するため、昨年のスポーツ祭東京2013で本区で実施されましたグラウンド・ゴルフ、ダーツ、バウンドテニスなどを推奨スポーツとして位置づけ、大規模大会を平成26年度に1大会を誘致、平成27年度に2大会を誘致、そして平成28年度には3大会を誘致していくとしております。
 既に本年7月には、計画に基づきましてグラウンド・ゴルフ大会が実施されております。さらに、今年度中にダーツ、バウンドテニスの2大会も計画を前倒しして実施していくとしている区の障害者スポーツへの取り組みを評価いたします。
 しかし、区の取り組みに課題がないわけではありません。例えば推奨スポーツ種目であるグラウンド・ゴルフ、バウンドテニス、ダーツが、昨年のスポーツ祭東京2013でデモンストレーション競技として実施された際の参加に当たっての目安では、いずれも肢体障害及び内部障害の方となっており、さまざまな障害のある方までを対象とはしていないことや、実施されている競技は個人種目が中心であることなどの課題があることから、区はさまざまな障害を持った方が参加しやすい環境整備のためにも、推奨スポーツ以外の種目も対象にして、大会を誘致していくことが必要と考えております。
 大会の誘致に当たっては、区内での参加者を育成してからとの考えがあることも理解いたしますが、スポーツを始めるきっかけは、目の前で試合を実際に見て、自分もできるのではと考え、挑戦したい、やってみたいと思って始めることもあるのではないでしょうか。
 2020年には、東京でパラリンピックが開催されます。葛飾区の障害者スポーツを充実するため、これまでの区の取り組みを維持しつつも、新たな視点から取り組んでいくことも必要ではないでしょうか。区民スポーツの盛んな葛飾区が、障害者スポーツも盛んな自治体になっていくことを大いに期待するものであります。
 そこで質問いたします。
 本区での障害のある方が参加しているスポーツ大会の実施状況及び障害のある方の参加状況はどのようになっているでしょうか。
 2、障害者スポーツの充実のため、障害のある方が参加できるスポーツ大会を積極的に誘致していくべきと考えますが、区の見解を伺います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)


○6番(米川大二郎議員) 議会運営委員会所属の議員全員の賛成を得まして、ただいま上程中の案件については、所管の常任委員会に付託されるよう動議を提出いたします。