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平成30年 9月定例会( 9月12日) 日程第2 一般質問
松本 太郎(新政クラブ)
1 次世代に安定した市政を継承するために
多くの自治体で人口減少する中、本市は減少を回避し、今はむしろ微増している状況にある。しかし近い将来、人口減少期を迎えることは間違いない。本市がこれから先も単独自治体としての持続可能性を確保し、県西部の拠点都市としてさらに大きな存在感を示し、次世代に安定した市政を継承するためには、いま何が必要なのだろうか。
 (1)人口減少社会に対応するため本市が克服すべき課題について。まず本市の強みと弱点とは何だろうか。強みは、広島市に隣接していること、また「宮島」という大きな観光資源を擁していることなどが挙げられる。一方弱点は、ベッドタウン特有の課題のひとつである、人口規模に比べて経済生産額が低いことが挙げられる。経済生産額を上げ経済的自立性を高めることは、まちの持続可能性を確保するうえで重要であると考える。そこで、今後の産業ビジョン、新たな産業育成も含め考えを問う。
 (2)観光産業を主要産業のひとつへ成長させることについて。本市の強みである宮島を中心とした観光業は、新たな主要産業として大いに期待できる。観光産業は、宿泊、飲食、物販、土産物製造、運輸、通信など多くがかかわる複合産業であり、多様な市内産業に経済波及効果をもたらす。観光業の在り方は新しい時代に入り、これからどう変わるべきなのか。また、他の国内観光地との競争も始まっている。どう差別化して、選ばれる観光地を目指すのか、その考えを問う。

2 本市が真に観光都市となるために
本市は観光都市といっていいのだろうか。観光都市といわれるまでに、まちの主要産業として観光業界が成長できているだろうか。平成23年に発表された産業構造調査では、有力な産業部門のひとつに成長しつつあるという評価がなされているが、その後、観光関連の生産額はどのように推移しているのだろうか。我々は、観光産業にどれだけ期待を持つことができるのか、その検証が急がれるのではないか。
 (1)観光施策の検証を金額ベースで行うための新たな制度づくりについて。いま、観光都市を標榜している自治体では、近年増えてきている外国人観光客数などを、KPIをはじめ観光施策の目標に設定しているが、観光による経済効果を具体的な金額を掲げ、目標設定している自治体は少ない。観光客数を否定はしないが、重んじるべきは経済効果であり、そこを目標に設定することが重要ではないか。本市の考えを問う。
 (2)質の高い観光を提供することによるリピーターの確保について。観光事業者の宮島でのビジネススタイルの多くは、大量の観光客が必ず訪れるという前提でインフラが整備され、いかに効率的に客をさばくかという発想で展開されているように感じる。確かに、国内やアジアを中心に多くの観光客が訪れているいまは、このような手法が合理的かもしれない。しかし、今後アジアの経済が発展すればするほど、中国人をはじめアジアからの観光客がこのような観光スタイルに魅力を感じなくなるのも時間の問題ではないか。そんな中、私たちが目指すべき観光産業の方向性は、国内、インバウンドを問わずリピーターの確保であり、観光客の満足度を上げるための策を講じなければならない。そのための考えを問う。
 (3)スピード感ある施策展開のための権限移譲について。真に観光都市となるためには、観光客のニーズを先取りし、スピード感あるインフラ整備が不可欠であるが、宮島の場合、その障壁になるのが多すぎる行政手続である。宮島地区は風致地区のほかに文化財保護法による特別史跡及び特別名勝の指定や自然公園法による瀬戸内海国立公園の特別地域の指定を受けている。柔軟に観光客のニーズに対応できる環境整備のため、これらの手続きをスピーディーに行うことの理解を国に求めるべきではないか。本市の考えを問う。

3 観光産業の生産性を上げるために
観光業とは一般的に利益率が低い業界だといわれている。それには生産性の低さが要因だとされ、そのためこの業界の雇用形態の75%は非正規労働だといわれている。国内産業5番目の巨大マーケットでありながら、それが雇用の充実や投資に回っていない。生産性の向上こそ、観光産業界が目指すべき方向であり、観光による税収や経済波及効果を期待する自治体としては、その支援を全力で行うべきではないか。
 (1)外部からの新たな資金調達により雇用と投資を呼び込むことについて。耐震補強工事も出来ず、バブル期に建設したインフラを、小規模修繕を繰り返しながら使っている施設もある。また、資金的課題だけでなく後継者不足や、人材不足など様々な課題を抱えている事業者もある。いまこうした状況を克服する策のひとつとして、観光業界ではM&A(事業譲渡・株式譲渡)が活発に起こっている。ただ、必要性は感じているものの、これまで継続してきた経営権を譲渡することに現経営者が抵抗を感じていることも現実である。M&Aは会社を存続させるための合理的手段のひとつであるということを行政が発信し、生産性を向上させるための効率的なM&Aが行われる環境整備は、これからの観光施策のひとつではないか、本市の考えを問う。
 (2)お金を使うことを厭わない「上客」の誘致について。観光を大きな産業へと成長させるには、観光客が消費するお金を最大化していくことが重要であり、そのためには、1回の旅行で多くの金額を使ういわゆる「上客」をいかに呼び込むかということも意識しなければならない。観光予算のうちもっとも大きいものは宿泊費。つまり、ホテルの価格帯の多様性が重要で、お金をたくさん落としてくれる「上客」に来てもらいたいと思えば、「上客」がそこでお金を使いたいと思う宿泊施設があることが必須になる。本市の進める新機能都市開発構想のA団地には、ホテルなどの賑わい施設の誘致を目指している。そこで、事業者選定の基準のひとつに、これまで本市になかった高価格帯のホテルに絞った誘致を考えてはどうか、本市の見解を問う。
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