過去の本会議の録画映像を御覧いただけます。
平成29年 6月定例会( 6月15日) 日程第2 一般質問
角田 俊司(クラブ進風)
1 高齢者対策と孤食について(1)国は、高齢者が体力の衰えなどから要介護状態にならないよう、平成28年度予算に初めてフレイル(虚弱・衰弱)対策の1つとして「高齢者の低栄養防止・重症化予防の推進」に10億7千万を計上した。内容は75歳以上の高齢者に対して、管理栄養士や歯科衛生士らの相談や訪問指導を充実させるための予算としている。それも有益ではあるが、広域合併後、地域ごとの高齢者の問題点が異なる中、一人暮らしの高齢者の食習慣や社会参加などの度合いを図ることで、より有効な対策が打てると思うが市の考えを問う。
(2)一人暮らしの高齢者の45%が、自身の食事は「栄養バランスが良くない」と感じており、食事の回数や時間も不規則になりがちであるという調査結果がある。いわゆる高齢者の「孤食」は、肥満よりも栄養不足と低体重の問題が大きく、これを放置すれば要介護度や死亡リスクが上がるといわれている。少子高齢化が叫ばれる中、行政として、平日の昼間だけでも安価で栄養バランスの良い「学校給食」を地域へも導入する検討ができないかを問う。
2 公共施設等の総合管理計画について
(1)この度の公共施設マネジメント基本方針では、道路、橋梁、上下水道等のインフラ整備が追加された。更新費用は40年間で3,509億円。年間88億円の試算だが、年20数億円の不足が生じるため、総量の削減が必要という答弁があった。しかし、建物施設の削減はある程度可能ではあるが、道路、橋梁、上下水道等については廃止対象にはならない。その更新費用は40年間で約1,545億円であり、年平均約39億円が必要と基本方針に明記している。全国の地方自治体もほぼ同じ状況だ。これには財政力の向上と卓越した行政経営能力で乗り切るしか方策はないが、この基本方針ではいつもの如く未利用地の売却程度しか示されず、新たな財源確保等の具体的な政策が全く明記されていない。この基本計画の実現可能性と覚悟を問う。
(2)宮島の上水道で、実験的に使用されているNMRパイプテクターについて、宮島の水源の70%は、径200ミリの海底管で弥栄ダムから引いた県用水であり、それを大元配水池で受水した後に宮島桟橋周辺まで配水している。計画受水量は一日で約1,230?。NMRパイプテクターは、大元配水池から約100mの位置へ、市水道局の認可を得て、平成27年1月15日に設置された。NMRパイプテクターとは、水道管の上から被せるように取り付けるだけで微弱な電磁波により水の分子を細分化して、水道管内部の赤錆を除去するもの。これにより水道管の更新作業と費用が大幅に減少することで、日米欧他で特許を取得した上水道インフラ整備の画期的な装置である。英国では平成19年6月に英国王室のお住まいであるウインザー城に設置。同時期にバッキンガム宮殿、英国国会議事堂、大英博物館、セント・トーマス病院、ヒルトン系高級ホテルなど約30か所に設置され、日本国内のマンションでは約千棟、病院や介護施設60棟以上、ホテル70棟以上、行政教育施設としては、国交省、防衛省、島根県庁、早稲田大学、日本都市センター会館など約80ヶ所あり、広島県内では、マツダ宇品工場、広島アンデルセンなどがある。日米欧他の全体実績としては平成29年3月時点で12,567件あり、横浜市や浜松市も導入検討に入っていると聞く。行政としてこの装置に着目し、試験的に運用し始めていることを大変評価したいと思うが、改めて今後の整備計画について問う。